FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
I-042
ぶれ画像復元のためのPSF推定に関する研究
野原広志・黒木修隆・廣瀬哲也・沼 昌宏(神戸大)
本稿では,高精度なぶれ画像の復元を実現するため,ぶれの軌跡の強調と曲線近似を用いたPSF推定手法を提案する.現在,ぶれ画像復元のために必要なPSFを推定する手法として,ケプストラム法を用いた手法が考案されているが,ケプストラム法ではぶれの軌跡の一部が消失するため正確なPSFを推定できず,ぶれ画像の復元精度が劣化する問題がある.
そこで,提案手法では,ぶれ画像のケプストラムにおいて,指数関数を用いて原画像のケプストラムの影響を抑えつつPSFのケプストラムの比率を大きくする.また,曲線近似を導入することで,より正確なPSFを推定する.提案手法を用いて評価実験を行った結果,従来手法に対してPSNRが最大5.80dB,平均1.24dB向上した.