FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
G-002
フィードバック反応経路が細胞内シグナル伝達系の多安定性に及ぼす影響の網羅的解析
末吉智奈佐・仲  隆(九産大)
細胞内シグナル伝達系は,細胞内の生化学反応を制御し,その異常が細胞のがん化の原因であると考えられているため近年盛んに研究が進められている.本研究では,複数のフィードバック経路を含む細胞内シグナル伝達系を,酵素がその活性型と不活性型を循環するサイクル反応系をノード,その制御関係をアークとする制御ネットワークとして定式化し,フィードバック反応経路が多安定性の出現に及ぼす影響について網羅的に解析した.2ノードの制御ネットワークでは,相互に正もしくは負に制御している場合,双安定性が出現し,正の自己フィードバックを加えることで3つ以上の安定な定常状態を有する多安定性の出現が確認された.また,3ノードの制御ネットワークについても同様の解析を行った.