FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
F-015
量子ビット遺伝子表現法を用いた順列最適化
飯村伊智郎(熊本県大)・森山賀文・大野友嗣(有明高専)・中山 茂(鹿児島大)
本稿では,量子ビット表現を用いても順列最適化を可能とする新たな遺伝子表現法を提案する.提案する遺伝子表現法では,全都市および全経路に1つずつ量子ビットを割当て,得られた順方向の巡回路だけでなく,逆方向の巡回路の情報も最良解情報として併せ持つ.提案する遺伝子表現法の特徴を確認するためにまずは比較的規模の小さな5つのベンチマーク問題(TSP)を用いた計算機実験を行い,提案手法が順列最適化の近似解法であるk-Opt法のような解を改善する効果を有し,従来手法よりも高確率で最適解を探索できることを明らかにした.今後は,提案手法をより規模の大きなTSPへ適用し,詳細な分析・評価を進めていくことが重要な課題であると考える.