FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
F-002
完全準同型暗号のデータマイニングへの利用に関する研究動向
佐藤宏樹・馬屋原昂・石巻 優・今林広樹・山名早人(早大)
近年,クラウドソーシングへの委託計算が増加している.この過程において,データの機密は通信路だけでなくクラウド上での保管においても保たれることが望まれる.完全準同型暗号(FHE)は,暗号文上での任意回数の加算と乗算が平文上でも保たれる暗号化方式である.FHEは2009年にGentryらによる発表以降研究が盛んに行なわれ,その準同型性を活かした秘密計算への応用が期待される.本稿では,プライバシー保護データマイニングへの活用を中心にFHEに関する近年の研究動向と実用化に向けた今後の研究課題を紹介する.