FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
C-022
ハードウェア化に適した近似関数の導入によるRNN回路のリソース削減と低消費電力化
村田大智・望月香那・黒田幸作・廣瀬哲也・黒木修隆・沼 昌宏(神戸大)
本稿では,時系列情報の学習に有効なニューラルネットワークであるRNNのハードウェア化による消費電力低減を目的とし,処理の大部分を占めるLSTMレイヤを小規模な回路で実現することで,低消費電化を実現するRNNハードウェア・アーキテクチャを提案する。具体的には,シグモイド関数や双曲線関数に対して線型近似を適用することで,処理を簡略化する。この時,近似関数の与え方を工夫することで,精度低下を抑制した。
 提案回路をFPGA上に実装して回路規模と消費電力の評価を行った結果,近似関数を導入することで,演算器を88.6%,メモリを 79.1%,消費電力を81.8% 削減する効果が確認される一方,精度低下はみられなかった。