FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
B-021
継続渡しスタイルのラムダ計算のための簡潔な記法に基づくプログラミング言語の提案
島 和之(広島市大)
計算結果を呼び出し元に返す通常の様式(以下DS)のラムダ項から計算結果を継続に渡す様式(以下CPS)のラムダ項を求めるため,CPS変換の方法が提案されている.
ただし,これらの方法ではカリー化してからCPS変換するので,元のDSと比べ,CPSのラムダ項は変数や入れ子が多く,複雑になる.
しかし,カリー化せずにCPS変換すると部分適用において合流性を満たさない.
本稿では,CPSのラムダ計算を簡潔に表現し,部分適用において合流性を満たす記法と,その記法に基づくプログラミング言語を提案する.
提案する言語はラムダ計算に基づく関数型でありながら,CPSによって命令型に近い記述が可能である.