FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
抄録
B-017
デバッグ支援を目的とした大域的動的依存性解析の効率化
楠 和馬(同志社大)・久米 出(奈良先端大)・波多野賢治(同志社大)
 依存関係の情報を含むトレースはデバッグ支援に多大な効力を発揮するが,トレースの構造の複雑性と膨大なデータ量により大域的動的依存性解析には対話的なデバッグ作業を妨げる問題がある.この問題を解決するためには,依存関係が命令や値に関するグラフ構造であることを利用して高速なトレースの解析を実現する必要がある.
 本研究では,グラフ処理に最適化したグラフデータベースを用いて大域的動的依存性解析を実装する.また,大域的動的依存性解析の実験を行い,デバッグ作業の対話性を損なうこと無く解析可能か測定した解析時間の評価と,更なる高速化に向けてデータベースへのアクセスや更新回数からボトルネックな処理を報告する.