FIT2015第14回情報科学技術フォーラム 開催日:2015年9月15日(火)~17日(木) 会場:愛媛大学城北キャンパス
イベント企画
医療用ソフトウェアの最新動向:高信頼設計、法規制、および、ビジネス展開
9月17日(木) 9:30-12:00
第1イベント会場(南加記念ホール)
【セッション概要】 2014年11月に改正薬事法が施行され、日本国内でも医療機器としてソフトウェア単体の販売が認可されることになった。今回の法律改正と、世界規模での社会の高齢化の中で、医療用、ヘルスケア用ソフトウェアの役割は一段と重要性を増すものと予想される。本イベントでは、ヘルスソフトウェアの法規制、ソフトウェアの信頼性、安全性の実現と開発ガイドライン、および、ビジネス展開等について、講演とパネルディスカッションを通して議論を深める。
9:30-9:40 司会
土屋 達弘(大阪大学 情報科学研究科 教授)
【略歴】 1995年大阪大学大学院基礎工学研究科博士前期課程修了、1998年同大博士(工学)。1996年大阪大学基礎工学部助手を経て、現在同大大学院情報科学研究科教授。ソフトウェアを中心とする情報システムのテスト、検証、高信頼化に関する研究に従事。
9:40-10:20 講演(1) 医療用ソフトウェアの規制の内側と外側
鈴木 孝司(公益財団法人医療機器センター 医療機器産業研究所 主任研究員)
【概要】 2014年11月25日に医薬品医療機器等法が施行され、ハードウェアと組み合わされた形ではないソフトウェア単体も「医療機器プログラム」として医療機器の1つに定義され、規制対象となった。医療機関で用いられる全てのソフトウェアが規制を受けるわけではなく、そのソフトウェアの用途や治療・診断への寄与度・リスクに応じて法規制への該当性が決定する。本講演では医薬品医療機器等法の概説から始め、厚生労働省の通知「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について(薬食監麻発1114第5号)」に示されている該当性の考え方について解説する。医療機器に該当する場合に要求されるライセンス制度の仕組みや品質管理の要件についても紹介する。
【略歴】 2002年東京大学工学部精密機械卒、学士(工学)。2004年同大学院新領域創成科学研究科修士課程修了、修士(環境学)。2007年同博士課程修了、博士(科学)。2004年4月~2005年9月国立がんセンター外来研究員。2007年4月から東京女子医科大学博士研究員、同病院循環器小児科助教を経て、先端生命医科学研究所助教。2014年9月より現職。専門は医療機器における医工連携・産学連携、mHealth。
10:20-11:00 講演(2) ヘルスソフトウェアにおけるGHS開発ガイドラインについて
飯島 直人(一般社団法人 ヘルスソフトウェア推進協議会 技術教育委員会副委員長)
【概要】 医療用ソフトウェア市場が拡大する中で、経済産業省は医療や健康に係るソフトウェアについて、2年間に渡る「医療用ソフトウェアに関する研究会」を開催し、2014年3月に「ヘルスソフトウェア開発に関する基本的考え方 開発ガイドライン2014(手引き)」を策定・公表した。これを踏まえ、研究会にメンバーとして参加していた医療系の3工業会(JEITA, JIRA, JAHIS)は、産業界が考えるヘルスソフトウェア開発に必要な要求事項として「ヘルスソフトウェア開発ガイドライン(GHSガイドライン)」を2014年8月に策定、公表した。本講演では、この「ヘルスソフトウェア開発ガイドライン」の概要について紹介する。
【略歴】 京都大学理学部理学研究科(化学教室)修了後、1984年株式会社島津製作所に入社。医療画像診断装置ソフトウェア、診療所向け電子カルテシステムの開発に従事した後、現在は株式会社島津製作所にて社内業務システムの構築に携わる。また、日本画像医療システム工業会(JIRA)、電子技術情報産業協会(JEITA)にて医療ソフトウェアにかかわる工業会活動に参加している。株式会社島津製作所医用機器事業部勤務。一般社団法人ヘルスソフトウェア協議会技術教育委員会副委員長。
11:00-11:40 講演(3) ヘルスソフトウェアのビジネス展開
森川 文夫(株式会社 クーメディカル 代表取締役)
【概要】 日本アイ・ビー・エムの責任者として、20年間、医療情報システムのビジネスに携わってきました。定年退職後は今までの経験を生かすべく、医療情報システム分野の会社を設立、起業しました。ヘルスソフトウェアのビジネスモデルやビジネス展開は今後益々重要性を増してくると思われますが、そう簡単に実現、成功できる世界ではないと思います。これまでの経験を基に、この分野に参入しようと考えておられる方々に少しでも参考になるようなお話ができればと思います。
【略歴】 1953年生まれ。1977年京都大学理学部卒業、日本アイ・ビー・エム株式会社入社。1994年から医療情報システムを担当し、営業部長や統括部長を歴任。2013年日本アイ・ビー・エム株式会社定年退職、株式会社クーメディカル設立(代表取締役就任)。現在に至る。
11:40-12:00 パネル討論 医療,ヘルスケア分野におけるICTの今後
【概要】 ヘルスケアソフトウェアについて講演内容を中心に医療関係者も交えて討論する
司会:山田 憲嗣(大阪大学 医学系研究科 特任教授)
【略歴】 1998年大阪市立大学大学院工学研究科後期博士課程修了。工学博士。1998年大阪科学技術センター研究員、2003年広島市立大学情報科学部助手、2004年広島工業大学工学部講師、2006年助教授、2007年准教授。2008年大阪大学臨床医工学融合研究教育センター特任准教授、2010年大阪大学大学院医学系研究科特任准教授。2012年同 特任教授、現在に至る。日本生体医工学会、計測自動制御学会、電気学会、SPIE、IEEEの会員。
パネリスト:鈴木 孝司(公益財団法人医療機器センター 医療機器産業研究所 主任研究員)
【略歴】 2002年東京大学工学部精密機械卒、学士(工学)。2004年同大学院新領域創成科学研究科修士課程修了、修士(環境学)。2007年同博士課程修了、博士(科学)。2004年4月~2005年9月国立がんセンター外来研究員。2007年4月から東京女子医科大学博士研究員、同病院循環器小児科助教を経て、先端生命医科学研究所助教。2014年9月より現職。専門は医療機器における医工連携・産学連携、mHealth。
パネリスト:飯島 直人(一般社団法人 ヘルスソフトウェア推進協議会 技術教育委員会副委員長)
【略歴】 京都大学理学部理学研究科(化学教室)修了後、1984年株式会社島津製作所に入社。医療画像診断装置ソフトウェア、診療所向け電子カルテシステムの開発に従事した後、現在は株式会社島津製作所にて社内業務システムの構築に携わる。また、日本画像医療システム工業会(JIRA)、電子技術情報産業協会(JEITA)にて医療ソフトウェアにかかわる工業会活動に参加している。株式会社島津製作所医用機器事業部勤務。一般社団法人ヘルスソフトウェア協議会技術教育委員会副委員長。
パネリスト:森川 文夫(株式会社 クーメディカル 代表取締役)
【略歴】 1953年生まれ。1977年京都大学理学部卒業、日本アイ・ビー・エム株式会社入社。1994年から医療情報システムを担当し、営業部長や統括部長を歴任。2013年日本アイ・ビー・エム株式会社定年退職、株式会社クーメディカル設立(代表取締役就任)。現在に至る。
パネリスト:石原 謙(愛媛大学 医学系研究科医療情報学講座 教授)
【略歴】 大阪大学医学科卒。同大助手を経て、95年国立大阪病院臨床研究部部長。循環器専門医、超音波指導医。超音波ME、動画像 処理、病院情報システムの研究で、国内外に特許約100件。98年愛媛大学医療情報部教授。不可能とされていた異ベンダー間の電子カルテ更新に成功。日本医師会総合政策研究機構研究部長としてORCAプロジェクト成功。11年同機構アカデミックアドバイザー。生体医工学会理事。医療情報学会評議員。国立大学病院医療情報部長会会長。日本不振は理系文系に分ける教育にあると憂う。