FIT2015第14回情報科学技術フォーラム 開催日:2015年9月15日(火)~17日(木) 会場:愛媛大学城北キャンパス
抄録
RO-005
モバイル通話データによる異常検知:セネガルにおけるインフラ整備への示唆
濱岡 豊(慶大)・赤松直樹(千葉商科大)・竹内亮介・末野正訓・劉蜀ミン・蒲  英・韓 貞烈・邱 騰箴(慶大)
本研究では、アフリカの開発にビッグデータを活用しようというD4D(Data for Development)プロジェクトで提供されたモバイル通話データを用いた分析を行った。このデータに対して、月、曜日、時間帯など入手しやすい説明変数を用いたVARモデルを適用し、それからのはずれ値として異常値を検出した。分析の結果、異常値を内挿値とくらべた結果、減少型の異常値が大部分であり、災害などによる障害によると推測された。また、同時点に異常値が生じたアンテナ数の大小によって、地域的か局所的かを分類したところ、局所的なものが大部分だが、全国的に広がったものも見いだされた。これらを図示することによって、異常が経済発展の遅れた地域で発生していることを見いだした。このように、通信データからの異常値検出によって、通信インフラが被害を受け、さらにその強化が必要な地域を明らかにすることができた。異常検出は先進国におけるリアルタイムでの適用が重視されてきたが、BoP諸国における長期でのインフラ整備にも利用可能である。