FIT2015第14回情報科学技術フォーラム 開催日:2015年9月15日(火)~17日(木) 会場:愛媛大学城北キャンパス
抄録
RJ-004
認知的要因による視覚性自己運動感の違いが映像酔いに与える効果
井上康之・中口和馬・河合敦夫・井須尚紀(三重大)
これまで映像酔い(視覚性動揺病)を引き起こす原因はベクション(視覚性自己運動感覚)にあると考えられてきた。しかし近年,映像視聴時に起きる眼球運動(視運動性眼振)こそが映像酔いの原因ではないかという報告がなされている。この点を検証するため,本研究は人の視覚認識を利用することで視運動刺激の等質性を保ちつつ主観的には異なるベクションを誘起する映像を作成し,その映像を見た時に知覚したベクションと生じた不快感の間の関係性を重回帰分析で定量的に評価した。その結果,主観的なベクションの増加に応じて不快感も増加したことから,従来の仮説通りベクションが映像酔いの原因となりうることが支持された。