FIT2015第14回情報科学技術フォーラム 開催日:2015年9月15日(火)~17日(木) 会場:愛媛大学城北キャンパス
抄録
RI-003
動きベクトル差分を用いた高速スキップベクトル判定に関する検討
工藤 忍・北原正樹・清水 淳(NTT)
H.265/HEVCでは隣接ブロックから作成する動きベクトルリスト(マージリスト)の中から動き情報をコピーして符号化するスキップモードが規定されている.スキップモードは選択される確率が高く符号化効率に大きく寄与する重要な予測モードであるが,動きベクトル(スキップベクトル)を最大5つの候補から選択するため,全てのスキップベクトル候補についてモード判定処理を行うと演算量が増大する.従来から様々なモード判定に関する高速化が提案されているが,スキップベクトルの高速決定方法に関する検討は少ない.本稿ではインター予測モードの動きベクトルとスキップベクトルの動きベクトル差分について最適スキップベクトルとの関係を分析し,動きベクトル差分を用いた高速スキップベクトル判定手法を提案する.評価実験により本手法の有効性を示す.