FIT2015第14回情報科学技術フォーラム 開催日:2015年9月15日(火)~17日(木) 会場:愛媛大学城北キャンパス
抄録
RA-002
区分線形関数に対する最適合成順問題の計算量
河瀬康志(東工大)・牧野和久(京大)・勢見賢人(トーア再保険)
本研究では、最適合成順問題を導入し、その計算複雑性を議論する.入力としてn個の実関数f1,...,fnと実数cが与えられる.このとき,最大k合成順問題は,与えられたkについて,fσ(k) ◦ … ◦fσ(1)(c)を最大化するn次の置換σを求める問題である.特に,k=nの場合を最大全合成順問題と呼び,kも自由に選べる中で最大化する問題を最大部分合成順問題と呼ぶ.
本研究では,単調非減少な1次関数に対する最大全合成順問題,最大部分合成順問題に対しO(n log n)時間アルゴリズムを与え,最大k部分合成順問題に対しO(kn2)時間アルゴリズムを与える. また,与えられる関数を高々2区分からなる区分線形単調関数に限っても,これらの問題はNP困難となることを示す.