抄録

◎田中恭平・芳鐘冬樹（筑波大）

科学技術をめぐる環境の変化に対応すべく、高等教育制度の改革も頻繁に議論されてきた。学位に関しても、1991年の大学設置基準の大綱化に伴って大きく改革され、学位規則上で限定列挙される形から、各大学の裁量によって専攻分野名称を付記する形態に改定された。しかし、専攻分野名称が多様化し、学位が必ずしも研究者の専門性を示しているとは限らないという指摘もなされている。
そこで、研究者の持つ学位に付記する専攻分野名称と、研究者の実際の専攻分野との関係性の提示を目的に、日本の研究者約4万名の学位及び専攻分野を収集し、両者の関係性についてネットワーク分析を行ったため、本発表ではその結果を提示したい。