FIT2015第14回情報科学技術フォーラム 開催日:2015年9月15日(火)~17日(木) 会場:愛媛大学城北キャンパス
抄録
L-037
擬似的2次拡大環上の楕円曲線法
森下拓也・趙 晋輝(中大)
有理数体上で位数の大きなtorsion groupを部分群に持つ楕円曲線を用いることで、楕円曲線法(以下、ECM)の素因数分解成功率が向上する事が知られている。また、2次数体上の楕円曲線はより大きな位数のtorsion groupを含むため、ECMに適していると考えられている。しかし、2次数体上の曲線をECMに用いたとき、合成数の素因数が特定の条件を満たすときのみ、成功率が向上するが、ランダムな合成数に対しては適用できなかった。本研究では、擬似的に生成した2次拡大環上で定義された楕円曲線を用いて、常に成功率が向上する2次数体上の曲線を用いたECMを実現し、有理数体上の楕円曲線を用いたECMと成功率の比較を行った。