FIT2015第14回情報科学技術フォーラム 開催日:2015年9月15日(火)~17日(木) 会場:愛媛大学城北キャンパス
抄録
I-033
信号値の疎性を考慮した動的計画法ベース最適量子化の演算量削減
坂東幸浩・高村誠之・清水 淳(NTT)
量子化は信号の振幅方向の離散化であることから、信号の振幅方向の疎性は、量子化器の設計と密接な関係を有する。頻度が零値になる信号値は、量子化誤差に影響を与えないため、頻度が零値の信号値にかかる処理を適切に省略することで、量子化誤差を最小化する際の演算量を低減できる可能性がある。しかし、従来の量子化では、こうした信号の疎性を考慮した設計がなされておらず、計算量の低減に改善の余地を残す。そこで、本稿では、信号の振幅方向の疎性を考慮することで、量子化器の最適性は保持した上で、その演算量を低減する方法を提案する。実験の結果、従来の最適量子化に対して、演算量を平均 16.3 ~ 21.2% 低減可能となることを確認した。