FIT2015第14回情報科学技術フォーラム 開催日:2015年9月15日(火)~17日(木) 会場:愛媛大学城北キャンパス
抄録
I-017
コントラスト不変性に基づく着目領域のTV-L1画像分解高速化
佐々木崇元・谷田隆一・清水 淳(NTT)
TV-L1画像分解は入力画像のカートゥーン成分とテクスチャ成分を良好に分解でき,ノイズ除去やテクスチャ抽出の他,顔画像認識や色調補正の前処理等に利用されている。この信号分解は画像中の輝度勾配の変化量を示すTVノルムとスパース構造の量を示すL1ノルムから定義される目的関数の最小化により求められるが,この手法は反復演算を複数回繰り返す必要があり,収束には多くの計算時間を要する。そこで本研究では,目的関数のコントラスト変換に関する不変性の性質を用いて,TV-L1画像分解の前後に着目領域の輝度分布に基づくコントラスト変換を行うだけで,着目領域の収束を速められる手法を提案する。実験では自然画像について提案手法を適用し,効果を確認する。