抄録

◎藤井　周・中田英紀・前田俊二（広島工大）・飯塚正美・安野拓也・仁戸部勤（科学警察研）・中山　透（神奈川県警）・金子俊一・渋谷久恵（北大）

銃器事件の早期解決と鑑定員の負担軽減を目的とした弾丸の類似性評価手法を検討した。拳銃から発射された試射弾丸の線条痕を対象とする。線条痕強調のため、2次微分フィルタと位相限定相関に基づいた位相強調手法を使用する。次に、二つの試射弾丸の画像間で正規化相関，Histogram Intersection(HI)，Kullback-Leibler divergence(KLD)の三種類で類似性を評価する。正規化相関は二つの局所領域の画像を対象とし、HIとKLDは局所領域のヒストグラムを作成し、これらのヒストグラムに関する分布の一致度と分布間の距離をそれぞれ求める。試射弾丸を用いて評価した結果を報告する。