FIT2015第14回情報科学技術フォーラム 開催日:2015年9月15日(火)~17日(木) 会場:愛媛大学城北キャンパス
抄録
F-025
反辞書確率モデルを用いた監視カメラの人物異常行動の検出
酒井啓正・森田啓義・眞田亜紀子(電通大)・陳  鞱(インフォメーション・ディベロプメント)
本稿では,反辞書確率モデルを用いて監視カメラなどに映り込んだ人物の異常行動を検出する方法を提案し,実験を行うことでその検出精度を求める.異常行動を検出する場合,大きく分けて二つの手法が存在する.一つは異常な行動をあらかじめモデルデータとして定義し,モデルとのマッチングで検出する手法で,モデルデータにない行動を検出できない恐れがある.もう一つは観測頻度の低い行動を異常として検出する手法で,観測頻度の高い異常行動が検出できない恐れがある.そこで,人物の軌跡データに現れないパターンの集合である反辞書の作成と軌跡データの出現確率に基づくスコアリングを行なう手法を提案する.提案手法を監視カメラで撮影された人物の歩行映像に適用することで,正常行動データに対しての再現率・適合率がそれぞれ 82%・90%,異常行動データに対しての再現率・適合率がそれぞれ 98%・51% となった.