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FIT2014 第13回情報科学技術フォーラム 開催日:2014年9月3日(水)~5日(金) 会場:筑波大学筑波キャンパス FIT2014 第13回情報科学技術フォーラム HOME 一般社団法人電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 一般社団法人電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーショングループ 一般社団法人情報処理学会 筑波大学
イベント企画
2020年のサイバーセキュリティ戦略 ~東京オリンピック・パラリンピックに向けて~
9月5日(金) 13:00-16:00
第1イベント会場(3A棟2F 3A204)
【セッション概要】 東京オリンピックが開催される2020年には、あらゆるモノがネットワークに接続され、ICTによる最先端サービスの実現が期待されている。省エネ・交通・観光・医療・健康・防災・減災などの新しいサービスを提供されるとともに、自動車の安全走行が実現されると期待されている。
一方、オリンピックの際には、開催国のネットワークや主要機関の情報システムへのサイバー攻撃が急増するだけでなく、2020年には、攻撃が重要インフラや交通システムだけでなく、一般家庭の様々な機器に及ぶことが懸念されている。
本パネルでは、我が国における2020年のサイバーセキュリティ戦略のあり方について、具体例を交えながら、議論する。
司会:徳田 英幸(慶應義塾大学 環境情報学部 教授)
【略歴】 1975年慶應義塾大学工学部卒。同大学院工学研究科修士。ウォータールー大学計算機科学科博士 (Ph.D. in Computer Science)。米国カーネギーメロン大学計算機科学科研究准教授を経て、1990年慶應義塾大学環境情報学部に勤務。慶應義塾常任理事を経て、現職。専門は、ユビキタスコンピューティングシステム、OS、Cyber-Physical Systems等。情報処理学会フェロー、日本ソフトウェア学会フェロー。現在、情報処理学会副会長、日本学術会議連携会員、情報通信審議会会長代理などを務める。
13:10-13:50 講演-1 強靭なセキュリティの構築:2012年のロンドン大会から得た教訓
Phillip Morris(BT(ブリティッシュテレコム)ジャパン株式会社 CTO, BT Japan, Head of Solution Engineering, AMEA CTO)
【概要】 ロンドン大会は夏季に開催され、規模の大きさと各プロジェクトの複雑さでは大会史上最上のイベントのひとつ。遅れの許されないデッドラインや現場の管理、競合も存在する企業や公的機関との折衝と進行、遠隔地に分散する大会施設を統合的な管理-いずれも大きな挑戦でした。それにセキュリティ。近年、大きな大会は絶好のターゲットになっており、ICTインフラのセキュリティは極端にまで強靭さが求められています。自分の意見を膨大な数の視聴者に見せたり、チケットの購買とホテルの予約などに関連してクレジット・カードの情報を盗むことも可能だし、大会に参加する選手や有名人の詳細なスケジュールを見たいと思う者もいます。大会を主催する国や都市を困らせるために、そのインフラやウェブサイトに侵入される可能性もあるのです。
ロンドン大会では、BTはコミュニケーションとネットワークセキュリティを担当したスポンサー企業でした。一日に一回はあった組織的なハッカー攻撃や2億を超える悪意のある攻撃から守ることが必要だったし、BYODのマルウェアも監視しなければなりませんでした。そして大会のウェブサイトはAPTやDDoSの攻撃に対する対応をとってきました。BTがこのような状況にどのように立ち向かったのか、そこから得た教訓をご説明いたします。
【略歴】 フィルモリスは、ICTの分野で30年に及ぶ経験を日本内外で持っています。特にセキュリティ、データセンタのシステムなどの構築や管理、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、HPC(high performance computing)では、その分野をリードしてきました。データセンターの構築では日本で最初のLEED Platinumのデータセンターを作りました。また、リソースが遠隔地に存在し、各部署が分散しているケースの場合、総合的に管理するための設計や実施経験が豊富です。BTに勤務する前は、Platform ComputingのCTOで、同社のHPCの完全なクラスター管理システムをクラウドベースの自動化管理システムに移項。同時にHadoopを導入し、より長時間の稼動とより迅速な処理を可能しました。
13:50-14:30 講演-2 日本の企業文化とサイバーセキュリティ
齋藤 ウィリアム浩幸(株式会社インテカー 代表取締役社長)
【概要】 顧客情報流出事件が発生した場合、いまやCSOのみならずCEOの善管注意義務違反が認定される時代となった。対応如何によっては会社の存亡をも左右する情報セキュリティ対策は間違いなくCEOマターである。情報通信技術(ICT)が企業内の全部門で利用されている以上、情報セキュリティへの取組みは部門を横断する全社的組織によるべきだ。取引関係にある業者を含めたネットワーク全体の保護や新しい発想での組織再編の必要性についてお話したい。
【略歴】 1971年カリフォルニア生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部を卒業。10代で商用ソフトウェアのプログラミングを始め、その大学在学中にI/Oソフトウェアを設立。BAPIという生体認証システム技術を開発し、2004年に自社をマイクロソフト社に売却した。2005年に拠点を東京に移し、株式会社インテカーを設立。2013年12月より、内閣府本府参与に任命されている。
14:30-16:00 パネル討論
司会:徳田 英幸(慶應義塾大学 環境情報学部 教授)
【略歴】 1975年慶應義塾大学工学部卒。同大学院工学研究科修士。ウォータールー大学計算機科学科博士 (Ph.D. in Computer Science)。米国カーネギーメロン大学計算機科学科研究准教授を経て、1990年慶應義塾大学環境情報学部に勤務。慶應義塾常任理事を経て、現職。専門は、ユビキタスコンピューティングシステム、OS、Cyber-Physical Systems等。情報処理学会フェロー、日本ソフトウェア学会フェロー。現在、情報処理学会副会長、日本学術会議連携会員、情報通信審議会会長代理などを務める。
パネリスト:Phillip Morris(BT(ブリティッシュテレコム)ジャパン株式会社 CTO, BT Japan, Head of Solution Engineering, AMEA CTO)
【略歴】 フィルモリスは、ICTの分野で30年に及ぶ経験を日本内外で持っています。特にセキュリティ、データセンタのシステムなどの構築や管理、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、HPC(high performance computing)では、その分野をリードしてきました。データセンターの構築では日本で最初のLEED Platinumのデータセンターを作りました。また、リソースが遠隔地に存在し、各部署が分散しているケースの場合、総合的に管理するための設計や実施経験が豊富です。BTに勤務する前は、Platform ComputingのCTOで、同社のHPCの完全なクラスター管理システムをクラウドベースの自動化管理システムに移項。同時にHadoopを導入し、より長時間の稼動とより迅速な処理を可能しました。
パネリスト:齋藤 ウィリアム浩幸(株式会社インテカー 代表取締役社長)
【略歴】 1971年カリフォルニア生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部を卒業。10代で商用ソフトウェアのプログラミングを始め、その大学在学中にI/Oソフトウェアを設立。BAPIという生体認証システム技術を開発し、2004年に自社をマイクロソフト社に売却した。2005年に拠点を東京に移し、株式会社インテカーを設立。2013年12月より、内閣府本府参与に任命されている。
パネリスト:宮川 晉(NTTコミュニケーションズ株式会社 先端IPアーキテクチャセンタ 先端IPアーキテクチャセンタ / 経営企画部サービス戦略担当兼務 担当部長)
【略歴】 1967年生。東京都出身。東京都在住。1995年東京工業大学理工学研究科情報工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)学位取得。同年、日本電信電話株式会社入社。1997年米国シリコンバレーNTT Multimedia Communications Laboratories(当時)移動。2002年よりNTTコミュニケーションズ株式会社所属。現在先端IPアーキテクチャセンタおよび経営企画部(兼務)。北陸先端科学技術大学院大学客員教授。
パネリスト:井上 友二(株式会社トヨタIT開発センター 代表取締役会長)
【略歴】 1973年に九州大学大学院(修士)修了後、電電公社電気通信研究所に入社し情報通信ネットワークの研究開発に従事。1982年から国際標準化や国際学会で活躍し、1998年にNTTマルチメディアネットワーク研究所長、2000年にNTTデータ取締役、2002年にNTT取締役・CTOとしてNTTグループ全体の研究開発責任者。2007年から(社)情報通信技術委員会理事長。2010年から株式会社トヨタIT開発センター代表取締役会長。IEEEとIEICEのフェロー。モンゴル科学技術大学名誉教授、電子情報通信学会前会長。総務大臣表彰、NTT社長表彰など。
パネリスト:村瀬 一郎(株式会社三菱総合研究所 情報通信政策研究本部 技術研究組合制御システムセキュリティセンター)
【略歴】 1986年 株式会社三菱総合研究所入社。以後、情報通信技術の調査研究に携わる。専門は、サイバーセキュリティ政策と制御システムセキュリティ。現在は、株式会社三菱総合研究所情報通信政策研究本部副本部長、兼技術研究組合制御システムセキュリティセンター事務局長、兼早稲田大学理工学研究所招聘研究員。著書に、「グループウェア」(共著)、「ITリスク学入門」(共著)等。
パネリスト:武田 圭史(慶應義塾大学 環境情報学部 教授)
【略歴】 2001年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。1994年から2002年まで防衛庁・航空自衛隊に勤務。2002年から2004年までアクセンチュア株式会社にて情報セキュリティコンサルティングサービスの立ち上げを担当。2005年カーネギーメロン大学にて情報セキュリティ修士プログラムを策定に参加しカーネギーメロン大学日本校教授に就任。2008年より慶應義塾大学環境情報学部教授。兵庫県参与など官公庁における情報セキュリティ関連委員等を務めている。情報セキュリティ分野における研究開発・運用・人材育成・コンサルティング等幅広い業務に従事している。博士(政策・メディア)。
パネリスト:後藤 厚宏(情報セキュリティ大学院大学 教授)
【略歴】 1984年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了(工博)。NTT研究所にて並列・分散処理アーキテクチャ、インターネットセキュリティ技術、高信頼クラウドコンピューティグ技術、ID管理技術の研究開発等に従事。2007年よりNTT情報流通プラットフォーム研究所長、2010年よりNTTサイバースペース研究所長。現在、IEEE Computer SocietyのBoard of Governor、 情報処理学会理事。2011年7月より現職。