司会:坂東 幸浩(NTT-AT 担当課長) | |
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【略歴】 2000年から2002年、日本学術振興会特別研究員。2002年、九州大学大学院システム情報科学研究科 博士後期課程修了。同年、日本電信電話株式会社 入社。NTTサイバースペース研究所にて、次世代映像フォーマットのための高能率符号化アルゴリズム研究等に従事。2011年より、現職。2008年FIT船井ベストペーパー賞、2012年情報処理学会 長尾真記念特別賞、2013年船井情報科学振興財団 船井学術賞等受賞。博士(工学)。 |
13:00-13:25 講演-1 HEVC RExtの最新標準化動向 | |
河村 圭(KDDI研究所 超臨場感通信グループ 研究主査) | |
【概要】 HEVC初版は2013年1月に標準化作業が完了したが、その半年前からRange Extensions(以下、RExt)の標準化が開始された。これは第2版の機能拡張の一つであり、2014年4月に標準化作業が完了した。RExtは4:2:2/4:4:4への色形式拡張や12bitへのビット深度拡張などが対象となっている。本稿ではRExtに採用された各種追加ツールの概要と性能、策定されたプロファイル群を紹介する。最後に、2014年4月から規格化作業が開始されたScreen Content Codingなど最新の標準化動向に触れる。 | |
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【略歴】 2004年、早稲田大学理工学部電子・情報通信学科卒業。2005年、同大学大学院国際情報通信研究科修士課程修了。2010年、同大学大学院国際情報通信研究科博士課程修了。同年、KDDI(株)入社。現在、(株)KDDI研究所超臨場感通信グループ研究主査。2014年電子情報通信学会学術奨励賞。主に、動画像符号化方式の研究・開発および国際標準化に従事。博士(国際情報通信学)。 |
13:25-13:50 講演-2 SHVC: HEVC階層符号化拡張 | |
山本 智幸(シャープ株式会社 研究開発本部 通信・映像技術研究所 第三研究室 主事) | |
【概要】 映像符号化技術HEVCの階層符号化拡張であるSHVC (Scalable HEVC) について解説する。SHVCでは、レイヤ間予測(階層間予測)を実現するために、ベースレイヤの復号画像にレイヤ間処理を適用して、上位レイヤの参照画像として利用する仕組みを採用している。代表的なレイヤ間処理としては、レイヤ間の解像度比に応じたテクスチャや動きベクトルのリサンプル処理が挙げられる。本稿では、SHVCにおけるレイヤ間予測の仕組みを中心にアルゴリズムの説明するとともに、SHVCによりどのような映像の組み合わせが符号化できるかといった機能性についての解説を行う。 | |
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【略歴】 2004年、東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了。同年、シャープ(株)に入社。主に、映像符号化技術の研究・開発に従事。関連する標準化活動にも取り組み、近年では、ISO/IECとITU-Tによる映像符号化標準HEVCや、階層映像符号化標準SHVCの策定作業に参加。 |
13:50-14:15 講演-3 デプスマップベース三次元映像符号化方式の国際標準化動向 | |
志水 信哉(NTTメディアインテリジェンス研究所 研究主任) | |
【概要】 高臨場な映像体験を実現する三次元映像として、裸眼での立体映像やカメラが設置されていない位置からの映像を提供する自由視点映像が期待されている。国際標準化団体MPEGとITU-Tの合同チームJCT-3Vでは、そのような新しい映像の効率的な伝送・蓄積を実現するために、多視点映像とそれに対するデプスマップで表現された三次元映像に対する符号化方式の国際標準規格化を進めている。HEVCの拡張規格として検討が行われている3D-HEVCでは、映像信号の視点間相関を利用する視差補償予測に加え、映像信号以外の視点間相関を利用する技術や、デプスマップの情報を利用した予測技術、デプスマップ符号化のための予測技術などが導入されている。本講演では、これら3D-HEVCで用いられている符号化アルゴリズムについて解説する。 | |
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【略歴】 2002年京都大学工学部情報学研究科卒業。2004年同大学大学院情報学研究科修士課程修了。同年、日本電信電話(株)NTTサイバースペース研究所入社。現在、NTTメディアインテリジェンス研究所研究主任。主に自由視点映像や三次元映像処理に関する研究開発および国際標準化活動に従事。博士(工学)。 |
司会:亀山 渉(早稲田大学 基幹理工学部情報通信学科 教授) | |
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【略歴】 1985年早大理工電子通信学科卒、1987年同大学院理工学研究科修士課程了、1990年同大学院理工学研究科博士課程了。1989年早大理工学部助手。1992年(株)アスキー、1994年フランステレコム研究所出向等を経て、1999年早大国際情報通信研究センター助教授、2002年早大大学院国際情報通信研究科教授、2014年4月早大基幹理工学部情報通信学科教授。マルチメディア情報流通関連の研究に従事。工学博士。 |
14:15-14:35 講演-4 MPEG-H MMTとスーパーハイビジョン放送システム | |
青木 秀一(NHK放送技術研究所 伝送システム研究部 研究員) | |
【概要】 コンテンツ利用端末や伝送路の多様化を受け、MPEGでは新たなメディアトランスポート技術であるMPEG Media Transport (MMT)を標準化した。MMTは、映像符号化技術や音声符号化技術から成る新たな標準規格MPEG-Hのシステム技術であり、今後の実用化が期待されている。MMTを用いることで、MPEG-2 TSなどの従来のメディアトランスポート方式では困難であった複数の伝送路で伝送する映像や音声などを組み合わせて用いることが容易に実現可能となっている。日本では、2016年の試験放送を目指し、MMTを用いたスーパーハイビジョン放送システムの規格化や機器の開発が進んでいる。本講演では、MMTの概要を述べるとともに、MMTにより実現されるスーパーハイビジョン放送システムの構成を述べる。 【講演資料はこちら】 | |
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【略歴】 2003年、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。2013年、東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。2003年にNHK入局。以来、放送技術研究所にて、IP技術を用いる放送システムの研究開発、ITU-R、MPEGでの国際標準化に従事。現在、スーパーハイビジョン放送システムの研究開発と国内外の標準化を進めている。博士(情報理工学)。 |
14:35-14:55 講演-5 次世代メディア伝送規格MMTのAL-FEC技術 | |
仲地 孝之(NTT 未来ねっと研究所 主任研究員) | |
【概要】 ISO/IEC MPEGでは、ヘテロジニアス環境に対応する次世代のメディア伝送規格として、MPEG Media Transport (MMT)の標準化を進めている。MMTは、現行規格のMPEG-2にはない様々な機能を有するとともに、アプリケーションレイヤー誤り訂正 (AL-FEC) の機能もサポートしている。通信・放送の連携をはじめた多様なサービスへの応用が期待されている。MMTのAL-FECは、さまざまな伝送路でのパケットロスに対応するために、複数のアルゴリズムを規定している。本稿では、NTT未来ねっと研究所が提案したLDGM符号を中心に、MMTの誤り訂正符号化技術について紹介する。 | |
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【略歴】 1997年、多次元ディジタル信号処理の研究で、慶應義塾大学より博士号を取得。NTT研究所入所後、理論的側面から超高精細映像の研究に従事する。2006-2007年、スタンフォード大学客員研究員として分散映像符号化の先駆的研究を行う。現在、セキュリティ映像処理、誤り訂正符号の研究に従事する一方、ISO/IEC MPEGシステム規格の国際標準化に携わっている。 |