抄録

◎畑　諒輔・森　大毅（宇都宮大）

本研究では，ALS患者のための随意運動を必要としないコミュニケーション装置の実現へ向け，脳波を利用した文字入力方法の検討を行う．これまでの脳波を利用した文字入力方式は，いずれも高価な機器を必要とするため，一般家庭への導入が困難であった．そこで，安価な脳波計と文字走査入力方式を利用した文字入力システムを提案する．ターゲット回答期間ではα波を減少させ，非ターゲット回答期間ではα波を増加させることでα波を文字入力のトリガーとした．本報告では，随意運動を用いない制御を行い，α波だけでなくβ波などの脳波のパラメータを用いて脳波モデルを推定し，文字入力実験を行い文字入力の精度について検証した．