抄録

◎三浦慎平・星野准一（筑波大）

近年、盛んに行なわれている芸術鑑賞方法のひとつに対話型鑑賞がある。対話型鑑賞は、鑑賞者へ作品知識を強要するのではなく、作品に対する自身の見方や感じ方を他者との対話を通して深めていく鑑賞方法である。作品知識や鑑賞経験が乏しい鑑賞者の鑑賞入門として多くの美術教育の場で実践されているが、鑑賞経験の浅い鑑賞者は、他者との対話過程で相互教授を活発に進め作品への関心や理解を深めていくことは容易ではない。 そこで本研究では、認知マップを活用した鑑賞支援システムを提案する。構造分析手法であるDEMATEL法を活用した認知マップの作成機能とマップの共有機能の実現により、集団での相互教授の活性化への有効性を検証する。