抄録

◎時田直弥・芋野美紗子・土屋誠司・渡部広一（同志社大）

自発的に意思疎通が困難な方にとって特別な操作を必要としない脳波を利用した意ステムの開発が望まれている．先行研究として脳波の類似度により感情判断を行うシステムが存在する．このシステムでは脳波が持つ周波数帯域や脳波の取得位置による分析を行っておらず，感情ごとの特徴が現れている可能性は考慮されていない．そこで提案手法として脳波の周波数帯域、取得位置ごとに回帰分析を行い，決定係数を算出する．その決定係数を類似度の計算の際に重みとして用いることによって感情による脳波の性質を考慮し，感情ごとの特徴を用いた脳波感情判断システムを構築した．本システムを評価した結果，最大で39.6%の精度を得ることができた．