抄録

◎宮澤一之・峯澤　彰・関口俊一（三菱）

本論文では、HEVC (High Efficiency Video Coding)を用いたスクリーンコンテンツの符号化における性能改善のためのヒストグラム補正手法を提案する。スクリーンコンテンツは、画素値ヒストグラムにおいてデルタ関数状のきわめて鋭いピークを持つが、符号化ノイズにより画質が低下することでこの特徴が失われる。提案手法では、HEVCにおけるループフィルタの一つであるSAO (Sample Adaptive Offset)を改良し、画素値ヒストグラムにおけるピークの急峻性を回復することで復号画像の画質を改善する。本論文では、提案手法を用いることで客観性能に加えて主観性能が大きく改善することを実験を通して示す。