抄録

◎伊藤良太（龍谷大）・桶谷新也（京都府中小企業技術センター）・藤田和弘（龍谷大）

　着物などの布製品に付着した汚れやシミが小さくかつ淡色な場合，人間の目視では検出することが困難である．汚れやシミは布製品の商品価値を下げたり，寿命を短くしてしまう．そこで，布に付着した小さく淡い汚れを画像処理により鮮明化し，汚れの検出の補助や検出時間を短縮させることを本研究の目的としている．
　本研究では，汚れが付着した布に昼白色蛍光灯とブラックライトそれぞれを当てた二種類の画像を用意し，それぞれの画像のRGB成分とそれぞれのRGB成分の差分のk乗の合計9成分に対しPCAを行い，汚れの鮮明化を行う．つぎに部分空間法を用いてテクスチャ構造の低減処理を行うことにより汚れを鮮明化させる．