抄録

○大川　学（警視庁）・吉田健一（筑波大）

オフライン筆者照合は，バイオメトリクス認証や法科学分野などにおいて重要な役割を果たしている．本研究では，字形情報を抽出するアプローチが中心であった従来のオフライン筆者照合において，可視画像と赤外画像を同時取得可能なマルチバンドイメージスキャナを用いて，可視画像・赤外画像中の筆圧情報と可視画像中の字形情報を併用する手法について提案した．実際に筆跡サンプルを用いて提案手法の有効性を評価したところ，平均誤照合率を4.8%（可視画像の字形情報を単独で使用）から1.5%（可視画像・赤外画像の字形情報・筆圧情報を併用）に改善した．