抄録

◎手島史裕・浜本隆之・杉村大輔（東理大）

本論文では，移動するカメラで撮影した映像から，カメラとは独立に移動する物体の抽出手法を提案する．カメラが動く場合，本来は静止している背景にもカメラの動きに依存するベクトルが生じる．そこで，動画像のフレーム間における特徴点の動きベクトルを取得し，方向成分が類似したものを同じグループとしてまとめることで，フレーム内の特徴点をいくつかのグループに分ける．そして多くの特徴点が属するグループを背景とし，背景以外のグループの特徴点をすべて動物体とする．このように判別した特徴点を元に領域分割を行うことで，動物体領域を抽出する．提案手法の有効性を，実画像を用いた評価実験により検証した．