抄録

◎森　　瞬・阿部　亨・菅沼拓夫（東北大）

映像による監視やモニタリングを実現するためには映像から人物や車両などの対象を検出する必要がある．本研究では，対象を検出するためのアプローチの一つである「背景差分」に基づいた対象領域検出手法を提案する．単純な背景差分の場合，カメラの振動等によって背景が変動する状況では正確な対象検出が困難となる．そのような状況にも対応するため，提案手法では過去に観測した複数の画像を「参照画像」とし，領域単位で入力映像と参照画像を比較することで背景の判定を行う．さらに，入力映像の状況に応じて判定に用いる参照画像の枚数，比較する領域の大きさや位置を動的に変化させることで，背景の変動に対して頑健な対象検出を実現する．