抄録

◎瀧田寿明・櫛部義幸（筑波大）・浜中雅俊（京大）・矢澤櫻子・星野准一（筑波大）

本研究の目的は，混合音響信号から目標のオーディオ信号をMIDIデータとして出力することである．これが実現されれば，カラオケ音源制作システムや自動採譜のシステムに応用することが可能である．本稿では，入力のMIDI形式の楽器音に対してMIDIに設定されているパラメータ値の推定を行なった．従来の研究ではMIDIに設定されたパラメータと出力音の音響特徴量の関係が線形であると仮定して分析を行っていた．しかしこの関係は非線形なので性能が下がっている事が考えられる．そこで，我々は非線形な機械学習手法Deep Learningの一種のDeep Belief Networksを用いたシステムを構築した．システムによってMIDI形式の楽器音に対してMIDIに設定されているパラメータ値の推定に成功した事を確認した．