抄録

◎白石卓也・芋野美紗子・土屋誠司・渡部広一（同志社大）

人間はある語から関連する語を連想することや，語と語の関連性を判断することを自然に行うことができる．このような人間の思考を機械で実現するために，概念ベースと関連度計算方式を機軸とした語概念連想システムが構築されている．概念ベースは一つの語を概念とし，概念の意味を表す属性とその重要性を表す重みの対の集合で定義されている．関連度計算方式は概念ベースを用いた概念間の関連性を定量的に表す手法である．既存の概念ベースは国語辞書が情報源であるため専門用語などが欠如している．そのため，本稿では百科事典と国語辞書から複合語を考慮して概念ベースの構築を行った．その結果，より多くの語を適切に連想できるようになった．