
抄録
E-002
否定表現から肯定表現への変換による文間関連度計算方式
◎谷裕一朗・芋野美紗子・土屋誠司・渡部広一(同志社大)
情報検索技術おいて,単語表記に基づくシステムが主流となっている.その場合,文として意味を左右する否定表現が考慮されない問題がある.そこで否定表現を肯定表現に変換するアルゴリズムの作成による,文と文の関連の強さを定量化することができる文間関連度計算方式を構築した.具体的には,否定表現「ない」が含まれている文節の述語に着目した.該当する述語の反対語を辞書から取得し,取得した語を「ない」が含まれた文節と置換することで肯定表現に変えた.本稿では,否定が含まれる文を肯定表現に変換することで文と文同士の正確な定量化を求めることが可能な文間関連度計算方式を提案し,その有効性を被験者実験によって評価した.