
抄録
A-009
ベイジアンネットワークを表現するZDDの因数分解に関する実験と考察
◎高 サン(北大)・湊 真一(北大/JST)
ベイジアンネットワークの確率分布を計算するための方法の一つとして、Multi-Linear Function (MLF) と呼ばれる数式を生成する方法が知られている。 MLF式に基づく確率計算に要する時間は、 MLF式の長さに比例するが、一般にMLF式は元のベイジアンネットワークのサイズに対して指数関数的に大きくなるため、その計算は容易ではない。湊らは、Zero-Suppressed BDD (ZDD) を用いて、ベイジアンネットワークを表現し、効率よく確率計算を行う手法を提案した。この手法は、場合によっては従来手法よりもずっと高速に確率計算を行う事が出来る。本稿では、この高速計算法を更に改善するために、ZDDを因数分解して、サイズを削減する方法及び最小d-分離に基づく分解法を検討し、実験と考察を行う。