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FIT2013第12回情報科学技術フォーラム 開催日:2013年9月4日(水)~6日(金) 会場:鳥取大学鳥取キャンパス
イベント企画
学びを科学する:MOOCsでCloudなBig DataをLearning Analytics!
9月6日(金)09:30-12:00
第2イベント会場(共通教育棟 C棟 2F C21)
【セッション概要】CMS/LMS の導入によって始まった世界の高等教育変革のムーブメントは、その後、SNS や Cloud Computing を活用した socialization と結び付き、今や、ビッグ・データの活用を模索する Learning Analytics、MOOCs に代表されるような Open Education という、「第3の波」の真っ只中にあります。しかしながらこのムーブメントに乗っかりさえすれば、労せず手放しでバラ色の未来が手に入るわけではありません。ひたすら教育環境をIT化したりログを集めたり、あるいはオープン化したりにすることは一部の研究者の間では流行しているようですが、そうしたことが実際にはどれだけ有効であるのか、そこに限界や制約条件はないのかといった問題については、批判と議論に耐えうる厳密な検証/論証は行なわれていないのが現状です。こうしたことを背景として本企画では、「学びをサイエンスする!」を提唱します。CloudComputing、学習環境の Socialization、OpenEducation などの実践的成果、そして Learning Analytics という data driven なアプローチをどう現実の高等教育に導入し、どう活用すればわが国の高等教育の改革に結びつくのか、各分野の第一人者によるパネルディスカッションとフロアー参加者との議論を通して、「学びの科学」を高等教育改革に活かす戦略的な道を探ります。
09:30-12:00 パネル討論
司会:竹村 治雄(大阪大学 サイバーメディアセンター 教授/副センター長、同大学全学教育推進機構企画開発部長、
           同大学教育学習支援センター長)
  【略歴】大阪大学大学院基礎工学研究科単位取得退学・工博(1987年)、ATR(1987年)、奈良先端大助教授(1994年)を経て阪大サイバーメディアセンター教授(2001年)、同センター長併任(2007-11年)、現在に至る。情報処理学会、教育学習支援情報システム研究会主査(2010年-)、教育学習支援情報システム、 ヒューマン・コンピュータインタラクション、3次元ユーザインタフェース等の教育研究に従事。情報処理学会、電子情報通信学会、VR学会、HI学会、IEEE、ACM、各会員。
パネリスト:土佐 尚子(京都大学 情報環境機構 教授)
 【略歴】MITのCenter for Advanced Visual Studies(高等視覚研究所)で、メディア芸術の教育を研究後、2005年より京都大学学術情報メディアセンターにて、京都大学オープンコースウェア推進業務を始める。2006年日本で初めてオープンコースウェア国際会議をオープンコースウェアコンソーシアムと共に京都大学で行い、約300人の参加者を集めた。現在、コンピュータによる学びの可能性を研究している。工学博士(東京大学)。  資料はこちら
パネリスト:山内 祐平(東京大学 大学院情報学環 准教授)
  【略歴】大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程中退後、茨城大学人文学部助教授を経て現職。博士(人間科学)。情報化社会における学びのあり方とそれを支える学習環境のデザインについてプロジェクト型の研究を展開している。特定非営利活動法人Educe Technologies代表理事。2003年度日本教育工学会論文賞受賞。2008年度グッドデザイン賞受賞。
パネリスト:山田 恒夫(放送大学 教育支援センター 教授)
  【略歴】1958年京都市生まれ。1985年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。大阪大学人間科学部助手、(独)メディア教育開発センター教授・研究開発部長等を経て、現在放送大学教育支援センター教授、総合研究大学院大学文化科学研究科メディア社会文化専攻教授。専門は教育工学・学習心理学。現在の研究テーマは、地球規模での学習コンテンツ共有再利用流通システムの構築と、学習者の個々の学習過程の最適化、ICTを活用した国際ボランティア活動。  資料はこちら
パネリスト:山川 修(福井県立大学 学術教養センター 教授)
  【略歴】1986年3月 名古屋大学大学院理学研究科物理学専攻修了、1986年9月 理学博士(名古屋大学)、1986年10月 高エネルギー物理学研究所(現、高エネルギー加速器研究機構)客員研究員、1988年9月 日本ビジネスオートメーション(現、東芝情報システム)研究開発室、1990年4月 福井県立短期大学助教授、1992年4月 福井県立大学助教授(情報センター)、2003年4月 福井県立大学教授(情報センター)、2007年4月 福井県立大学教授(学術教養センター)現在に至る。
パネリスト:武田 俊之(関西学院大学 高等教育推進センター)
  【略歴】1964年生まれ。関西学院大学において、教育の方法、ファシリティ、ネットワークの設計、開発、研究に従事。現在は、オープン・エデュケーション、ラーニング・アナリティクス、アクティブ・ラーニングについて、デザイン思考やプロトタイピングの方法による研究開発をおこなっている。2013年に、組織に依存しないインディMOOCを有志とともに開始した。
パネリスト:梶田 将司(京都大学 情報環境機構 教授)
  【略歴】情報基盤工学・フィールド情報学・メディア情報学分野における研究者・実践者。「情報技術と人間社会のバランスのよい発展」を目指している。現在は、様々な学問分野の人々が多様な活動を行う大学を「研究フィールド」と位置づけ、大学における教育・学習活動や学術研究活動を情報技術により質的転換するための研究開発・実践活動を行うことを通じて、実際の社会生活を豊かにする新しい情報技術や利用技術の実現・普及を目指している。1990年名古屋大学工学部情報工学科卒業。1995年同大学院工学研究科情報工学専攻博士課程満了。2002年名古屋大学情報連携基盤センター助教授、2007年同准教授、2009年情報連携統括本部情報戦略室准教授、2011年10月京都大学情報環境機構IT企画室教授、現在に至る。1998年日本音響学会第15回粟屋潔学術奨励賞、2001年電子情報通信学会第57回論文賞。2009年IBM Shared University Research (SUR) Award 受賞。情報処理学会、電子情報通信学会、日本音響学会、日本教育工学会、教育システム情報学会、日本高等教育学会、IEEE、ACM各会員。博士(工学)。