情報処理学会ホームページ
FIT2013第12回情報科学技術フォーラム 開催日:2013年9月4日(水)~6日(金) 会場:鳥取大学鳥取キャンパス
イベント企画
国際情勢の変化から見るサイバー攻撃~その本質を探る~
9月4日(水) 09:30-12:00
第1イベント会場 (共通教育棟 A棟 2F A20 大講義室) 
【セッション概要】情報セキュリティの概念が誕生してから、攻撃目的や技術は変化し続けている。そして我々は現在、標的型メール攻撃、標的型諜報攻撃といった、国家をもゆるがす「サイバー空間」のセキュリティ問題に直面している。このような状況の中で、攻撃の表面を見ているだけでは、真の目的、意図を知ることは難しい。本セッションでは、現在起きているサイバー攻撃の本質を探ることを目的とし、まず前半で、標的型攻撃事案を例に、それらが国際情勢や外交安全保障にまで繋がる問題であることを解説し、後半で我々はそれにどう立ち向かってゆくのか、パネル討論を行う。本セッションを通して、表面的な現象ではなく、本質的な問題をとらえることの重要性が理解されることを期待するものである。
司会:加藤 雅彦(株式会社インターネットイニシアティブ サービス本部セキュリティ情報統括室 シニアエンジニア)
  【略歴】1995年豊橋技術科学大学大学院工学研究科知識情報工学専攻修了。修士(工学)。1998年株式会社インターネットイニシアティブ入社。システムインテグレーション、脆弱性検査サービスの立ち上げ等の業務に従事。ネットワークシステムの安全な設計に関する研究やクラウドセキュリティに関する講演等も行っている。日本ネットワークセキュリティ協会幹事、調査研究部会長、電子情報通信学会、情報処理学会各会員。
09:30-10:45 講演-1 本質を見抜く“目力”講座
岡谷 貢(富士通株式会社 安全保障研究所 主任研究員 / 情報処理推進機構)
【講演概要】 国家レベルのサイバー攻撃、その背景・意図するものは何か?3月20日に起こった韓国でのサイバー攻撃事例や、「サイバー空間問題」の背景などを題材に、技術目線を越えたところにある「本質」を見抜く“目力”の必要性について解説します。サイバーセキュリティ分野も技術から国際情勢・安全保障などの分野に直接関係する複雑かつ広範な要素を内包するテーマとなっており、その本質と背景の理解が難しくなって来ています。現象をうわべではなく、多面的に見つめる力と技“目力”は研究者にとっても、エンジニア、プログラマにとっても、セキュリティ関係等すべての創造的な仕事をする人たちが普段から意識しておくべき益々重要な能力となってきています。
  【略歴】1980年、航空自衛隊入隊後、戦闘機操縦士を経て兵器システム開発業務、IT型システム開発及び情報セキュリティ関連業務のプロジェクト責任者に従事。2002年、航空幕僚監部、防衛省内部部局、内閣官房情報セキュリティ対策推進室を兼任。NIRT(政府緊急対応要員)として日本のCSIRT体制構築とNISC立ち上げを行う。2006年、統合幕僚監部にて防衛省サイバーセキュリティ体制構築後、空自教育機関にて人材育成業務に従事。2008年、再度、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)に出向し、政府の情報セキュリティ政策の企画立案、各省政策の相互調整業務を実施。20012年10月に、航空自衛隊を任を全うし退官。富士通及び独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)に勤務。現在、NISC「リスク評価検討会」委員、IPA「脅威と対策研究会」委員。
10:45-12:00 パネル討論
【パネル討論概要】インターネットが広く一般に利用され、社会基盤となった今、サイバー攻撃は国際情勢にも影響する存在となっている。このような状況において、我々は新たなサイバー攻撃とどう立ち向かってゆくのか、講演の内容をもととして、社会、技術、法律といった、様々な視点からパネルディスカッションを行い、安全安心にネットを利用するために我々がなすべきことを議論する。
司会:加藤 雅彦(株式会社インターネットイニシアティブ サービス本部セキュリティ情報統括室 シニアエンジニア)
  【略歴】1995年豊橋技術科学大学大学院工学研究科知識情報工学専攻修了。修士(工学)。1998年株式会社インターネットイニシアティブ入社。システムインテグレーション、脆弱性検査サービスの立ち上げ等の業務に従事。ネットワークシステムの安全な設計に関する研究やクラウドセキュリティに関する講演等も行っている。日本ネットワークセキュリティ協会幹事、調査研究部会長、電子情報通信学会、情報処理学会各会員。
パネリスト:岡谷 貢(富士通株式会社 安全保障研究所 主任研究員 / 情報処理推進機構)
  【略歴】1980年、航空自衛隊入隊後、戦闘機操縦士を経て兵器システム開発業務、IT型システム開発及び情報セキュリティ関連業務のプロジェクト責任者に従事。2002年、航空幕僚監部、防衛省内部部局、内閣官房情報セキュリティ対策推進室を兼任。NIRT(政府緊急対応要員)として日本のCSIRT体制構築とNISC立ち上げを行う。2006年、統合幕僚監部にて防衛省サイバーセキュリティ体制構築後、空自教育機関にて人材育成業務に従事。2008年、再度、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)に出向し、政府の情報セキュリティ政策の企画立案、各省政策の相互調整業務を実施。20012年10月に、航空自衛隊を任を全うし退官。富士通及び独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)に勤務。現在、NISC「リスク評価検討会」委員、IPA「脅威と対策研究会」委員。
パネリスト:高倉 弘喜(名古屋大学 情報基盤センター 教授)
  【略歴】1995年3月 京都大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程修了。1995年4月 日本学術振興会特別研究員(PD) (この間、米国イリノイ大学訪問研究員)。1995年10月 奈良先端科学技術大学院大学助手。1997年4月 京都大学工学研究科講師。2000年10月 京都大学大型計算機センター助教授。2002年4月 京都大学学術情報メディアセンター助教授。2010年1月 名古屋大学情報基盤センター教授(現職)。
パネリスト:前田 典彦(株式会社カスペルスキー 情報セキュリティラボ チーフセキュリティエヴァンゲリスト)
  【略歴】ISP関連会社・SIerにて、主にネットワークやサーバの構築運用管理業務を経て、2007年1月よりKaspersky Labs Japanに入社。同社で実施しているマルウェアを中心としたインターネット上の様々な脅威解析・調査結果をもとに、情報セキュリティ普及啓発活動に従事。早稲田大学政治経済学部卒。
パネリスト:有本 真由(小川綜合法律事務所 弁護士 アソシエート)
  【略歴】2005年3月、東京大学法学部卒業。2010年8月、最高裁判所司法研修所修了。2010年8月、弁護士登録、小川綜合法律事務所入所(現在に至る)。2012年10月、情報ネットワーク法学会入会。