◎小嶋彩香・森本祥一（専大）

ファッション業界では，扱う商品や業務の特徴から，RFIDタグの導入が検討されてきたが，その多くは実証実験的側面が強く，本格導入まで至るケースは少なかった．しかしRFID周辺の技術革新により，ここ数年で導入事例も急増し，いよいよ本格的な普及の条件が整ってきている．その反面，いずれの事例においても，その主たる目的は導入側，売り手側の業務効率化に偏っており，RFIDのメリットを活かしきれていない．真に着目すべきは店舗内で得られる清算前の情報である．そこで本研究では，ファッション業界においてRFIDタグにより収集できる情報を精査し，顧客に対して提供できるサービスや付加価値の向上につながる活用法について考察する．