
抄録
L-034
誤り訂正符号を用いたトランスポート層プロトコルの実装と評価
◎島津圭佑(インターネットイニシアティブ)・東 達軌(ネクスト)・松澤智史・武田正之(東理大)
FECを用いた通信の多くはUDPを用いて通信を行なっているが,IPv6環境下ではUDPのチェックサムの使用が必須とされ,パケット内に誤りが含まれた場合パケット単位で破棄される.受信端末が復号する際,破棄されたデータを全て誤りとして認識する.そのため,訂正すべき誤りが,FECの訂正可能量を超えてしまい,復号が失敗する.そこで本論文では,誤り訂正機構を持ったトランスポート層プロトコルを提案した.
本提案手法を使用した場合と,UDP上でFECを使用した場合で比較検証を行った結果,多くのパケットに少しずつ誤りが発生するような場合において,本提案手法は既存手法に比べ,誤りの訂正率が高まることが確認された.