◎今渕祥平・小方　孝（岩手県大）

開発を進めている統合物語生成システムのうち，プロップに基づくストーリー生成機構はロシア魔法昔話の構造を持つ物語の概念構造を生成する．現在この機構は粗筋レベルの物語を生成し，生成された物語の事象間には一部意味的な繋がりがないという問題があった．本稿ではプロップが示す，物語の筋を円滑に繋げる「つなぎの技法」を利用し，生成された物語における事象間の意味的繋がりを作り出す手法を提案する．プロップは登場人物の動機付け・媒介者による情報伝達等を挙げているが，これらを形式化して事象展開の補助的ルールとしてプログラムする．さらにこの手法をプロップに基づく機構以外にも利用出来るように一般化することを目指す．