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FIT2013第12回情報科学技術フォーラム 開催日:2013年9月4日(水)~6日(金) 会場:鳥取大学鳥取キャンパス
抄録
A-011
浮動小数点フォーマットに基づく事前誤差解析を用いた多倍長演算における演算精度の自動調整アルゴリズムの提案と評価
野口剛史・古賀雅伸・川端悠一郎(九工大)・矢野健太郎(福岡工大)
近年、多倍長演算を用いて演算精度を上げることにより丸め誤差等の数値計算誤差の影響を小さくし、数値的に不安定な問題を解決しようとする試みがある。しかし、多倍長演算の演算精度をどのくらいに設定すればよいか分からないといった問題点も指摘されている。本研究では、浮動小数点フォーマットに基づく事前誤差解析を用いて多倍長演算で発生する誤差限界を求め、丸め誤差や情報落ち誤差が発生しないように演算精度を自動的に調整するアルゴリズムを考案した。そして、考案したアルゴリズムを用いた多倍長演算パッケージを開発し、具体的な問題に適用し評価した。