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FIT2013第12回情報科学技術フォーラム 開催日:2013年9月4日(水)~6日(金) 会場:鳥取大学鳥取キャンパス FIT2013 第12回情報科学技術フォーラム HOME 一般社団法人情報処理学会 一般社団法人電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 一般社団法人電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーショングループ
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ビッグデータ時代のオンライン学習アルゴリズム
9月4日(水)13:00-15:00
第2イベント会場(共通教育棟 C棟 2F C21)
【セッション概要】巨大なデータから機械学習を行う際、すべてのデータをため込んでバッチ処理することは不可能になりつつあり、到着するデータを保存せずにモデルの学習を行うオンラインアルゴリズムが注目を集めている。オンラインアルゴリズムでは、リグレットバウンドなどに基づく独自の理論があり、通常の機械学習アルゴリズムとは趣きが違う。ウェブサイトの広告を選択するために広く用いられる多腕バンディット問題もオンラインアルゴリズムの一種である。本企画では、国際会議などでご活躍中の気鋭の研究者をお招きして、オンライン学習の理論や、実践に関する議論を行いたい。現実にアルゴリズムをデータに適用する際に重要なポイントや、苦労話などを共有し、できるだけ多くの研究者・学生の皆さんの参考になるようなイベントにしたい。
司会:津田 宏治(産業技術総合研究所 生命情報工学研究センター 主任研究員)
 【略歴】1994年京都大学工学部情報工学科卒業。1996年同大学院工学研究科情報工学専攻修士課程修了。1998年同博士課程修了、電子技術総合研究所入所。2000年独GMD FIRST客員研究員。2003-2004独Max Planck研究所研究員。2006-2008同チームリーダー。博士(工学)。現在、産業技術総合研究所生命情報工学研究センター機械学習研究班長、主任研究員。
13:00-13:40 講演-1 オンライン予測理論とその応用
畑埜 晃平(九州大学 大学院システム情報科学研究院 助教)
【講演概要】逐次的に与えられるデータに対して、その都度意思決定・予測を行う問題は一般にオンライン予測問題と呼ばれる。オンライン予測問題は、株式投資におけるポートフォリオ選択や、最短経路選択、スケジューリングなど多くの実問題に現れる。近年、オンライン予測理論においては、オンライン凸最適化という統一的な定式化の下で様々な進展が得られた。本講演ではオンライン予測理論の概要やその応用について述べるとともに、近年のトピック(離散構造のオンライン予測など)を紹介する。
  【略歴】1999年東京工業大学理学部卒。2005年同大学院情報理工学研究科博士課程修了、博士(理学)。九州大学情報基盤センター助教を経て、2010年より九州大学大学院システム情報科学研究院助教、現在にいたる。計算学習理論・機械学習の研究に従事。電子情報通信学会、人工知能学会各会員。
13:40-14:20 講演-2 知識の探索と活用のジレンマと多腕バンディット問題
本多 淳也(東京大学 新領域創成科学研究科 助教)
【講演概要】多腕バンディット問題とは複数台のスロットマシンをプレイするギャンブラーのモデルであり、ギャンブラーは各マシンからの報酬についてオンラインで学習することにより総報酬を最大化することを目指す。この際、プレイしなかったマシンからの報酬の情報は得られないため、ギャンブラーは知識の探索(プレイ回数が少ないマシンを選ぶ)と活用(現時点でベストなマシンを選ぶ)をうまくバランスさせる必要がある。この問題は古くから知られていたが、近年ではWeb上の広告配置問題やネットワークルーティング等の新たな応用先から盛んに研究されている。本講演では、この問題に対するいくつかの定式化を紹介し、理論限界やそれを達成する戦略について解説する。
  【略歴】2008年東京大学工学部計数工学科卒業。2010年同大学院情報理工学系研究科修士課程修了。2013年同大学院新領域創成科学研究科博士課程修了、4月より現職。専門は多腕バンディット問題および情報理論。
14:20-15:00 講演-3 インターネットにおけるオンライン学習
中村 篤祥(北海道大学 大学院情報科学研究科 准教授)
【講演概要】 オンライン学習では、学習アルゴリズムはそれまでに得られた情報から学習して次を予測するということを繰り返し、累積損失の最小化または累積利得最大化を目標とする。インターネット時代においては、ネット上の様々な活動をオンライン学習問題として捉えることができる。広告配信や株の売買などの活動を、どのようにオンライン学習問題として定式化するのか。また、どのようなアルゴリズムが、理論的または実験的に性能が良いとされるのか。これらについて解説し、関連する最近の研究を紹介する。
  【略歴】1988年東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了(情報科学専攻)。同年、日本電気株式会社入社。計算論的学習理論とそのインターネットへの応用に関する研究で2000年に東京工業大学にて博士(理学)号を取得。2002年に北海道大学大学院工学研究科助教授。現在同大学大学院情報科学研究科准教授。