抄録
I-021
HEVCにおける色差直交変換ブロック分割に関する一検討
峯澤 彰・杉本和夫・関口俊一(三菱)・市ヶ谷敦郎・境田慎一(NHK放送技研)
現在,MPEG-4 AVC/H.264に対して約2倍の圧縮率を目標として,ISO/MPEGとITU-T/VCEG共同で次世代映像圧縮方式HEVCの規格化作業を進めている.現在のHEVCのテストモデルでは直交変換単位が符号化対象ブロックからの四分木分割によって表現され,輝度信号と色差信号で同一の分割が適用されている.しかし,一般に輝度信号と色差信号の信号特性は大きく異なるため,最適なブロック分割状態はそれぞれ異なる可能性がある.
本稿では,特に4K×2K映像やハイビジョン映像の16倍の空間解像度を持つスーパーハイビジョン映像といった高解像度映像の符号化効率改善を目的として,輝度信号とは独立した色差信号の直交変換ブロック分割手法について検討する.