抄録
I-008
輝度勾配分布の復元による画像の質感改善技術
○齊藤佳奈子・金子敏充・窪田 進(東芝)
画像中の微細なテクスチャは被写体の質感を表現する上で欠かすことのできない成分である。本稿では、撮影時や圧縮時、解像度変換時に失われた消失テクスチャ成分を推定することにより画像の質感を改善する技術を提案する。提案手法では、あらかじめ劣化画像の勾配に対する消失テクスチャ成分の勾配の関係を2次元正規分布でモデル化し、このモデルに従って勾配を発生させることで消失成分を生成する。分布を復元するというアプローチにより、テクスチャがもつ自然なゆらぎを表現することが可能である。主観評価実験による画質評価、およびテクスチャ統計量の類似度評価により、提案手法の有効性を確認した。