抄録
H-037
位相差スペクトルによる音源までの距離推定 -測定環境と位相差値のばらつきの関係について
櫻井智章・霜山竜一(日大)
音源との距離に応じて直接音と反射音の比が変化することが知られている.筆者らは,測定された音圧の,位相差の周波数特性のばらつき具合が直接音と反射音の比に対応するものと考え,そのばらつきを標準偏差値で定量化した.しかし,位相差の周波数特性は測定される部屋の音響特性に依存するものと考えられる.移動するロボットが未知の環境で未知の音の発生位置を推定する状況を想定して,音響特性や大きさの異なる複数の部屋(体育館,大小の講義室等)で,両耳聴ヘッドトルソを用いて音源までの距離と音圧の位相差の周波数特性のばらつきの関係を求めた.部屋の大小に応じてみられる規則性について報告する.