抄録
G-016
尋常性乾癬の病勢定量化のための基礎的な検討
向井一宏・彌冨 仁(法大)
尋常性乾癬は腫れとかゆみを伴う皮膚疾患で患者数も多い。診断指標としてPASI等があるが、医師の主観評価のため、ばらつきが大きい。画像解析により客観的な病勢定量手法が確立できれば、適切な治療法の選択や治療効果の評価に役立つ。尋常性乾癬の最も多い症状である紅斑に対して、Lab表色系のa成分を用いて、健常皮膚部と病変のa成分の差分と面積で病勢を定義した。また複数の臨床画像間の位置合わせをSIFTとアフィン変換を用いて経時的な病勢変化の定量も可能とした。患者7名、計53枚の体幹部の評価画像に対して抽出した病変は医師の指定した病変部とほぼ一致し、計算によって求めた病勢の経時的な変化もPASIの変化と同様の傾向を示した。