抄録
F-002
序数効用を考慮した政党世論の意見伝播モデル
須藤勇一郎(名工大)・田中克典(メイテツコム)・武藤敦子・加藤昇平(名工大)
世論は人々のコミュニケーションやマスメディアにより形成される社会の全体意見である.この形成過程を分析するために,社会的インパクト理論に基づいたシミュレーションモデルが提案されている.
人はコミュニケーションにおいて他者の持つ評価を数値ではなく序数によって認識するということが知られている.そこで、本研究ではこれまで考慮されていなかった序数的評価に着目し,政党間の評価順位を用いて政党世論の形成を行う意見伝播モデルを提案する.
本稿では,実際の選挙のデータをエージェントの初期値に用いてシミュレーションを行い,従来モデルとの比較や実際の世論動向の分析結果から提案モデルの有効性を確認している.