抄録
E-018
連想メカニズムを用いた直喩の意味解析法
鞠山大樹・芋野美紗子・土屋誠司・渡部広一(同志社大)
日常会話など,自然言語を扱う様々な場面で直喩が使用されている.我々人間は直喩を使うことで微妙なニュアンスを表現することが出来る.直喩の意味解析の研究は広く行われているが,それらの多くは喩詞,被喩詞それぞれの語が持つイメージやそれらの関係性などが考慮されていない.そこで本研究では辞書を基に自動構築された概念ベースを用いた直喩の意味解析手法を提案する.提案手法の特徴は,概念ベースを用いることで単語が持つイメージを反映でき,また,関連度計算方式を用いることで語と語の関連の強さを定量的に表せ,単語同士の関係性を考慮できることである.提案手法により54.2%の精度で直喩の意味解析ができることを確認した.