抄録
E-009
テンポの類似性を取り入れた演奏表情生成の検討
柴崎正浩(芝浦工大)・鈴木泰山(ピコラボ)・徳永幸生(芝浦工大)・杉山 精(東京工芸大)
事例に基づく演奏表情生成システムのKagurame Phase-IIIは,楽曲を様々な長さの階層的な旋律断片に分割し,旋律断片の類似性を事例選択の指標としている.本システムは,ピアノロール画像を比較することで旋律断片の類似性評価を行なっている.しかし,聴感ではテンポが異なると演奏表情が大きく異なって聴こえることが,これまでの実験から得られた.このことから,テンポの近さを類似性評価に加えることで,より人間らしい演奏表情の生成が可能になると推測した.そこで,ピアノロール画像の類似性のみで生成した演奏と,テンポの近さを類似性評価に加えて生成した演奏の差分を試聴実験から明らかにした.本稿では,実験結果と考察を述べる.