抄録
C-019
HDD向けキャッシュ性能シミュレーションによるI/O性能設計の一手法
細木浩二・長野岳彦・石川 誠(日立)・井上和則(HGSTジャパン)・Hung Vu(HGST)
HDDなどのI/O性能向上アプローチの一つはキャッシュメモリである.キャッシュ性能を示す一般的な指標はキャッシュヒット率である.一方HDDは,ディスク回転などの物理的制約により,キャッシュミス時の応答時間が一様でなく,ヒット率以外の性能指標が要求される.そこで,キャッシュミスの要因分類およびアイドル時間を用いた改善余地を新たな指標として定義し,HDD性能シミュレータに実装した.また,性能指標をチャンク(Δ時間,Δ容量,Δイベント数)毎に可視化することで,時系列での性能評価を可能とする.本性能設計手法は,実HDDに対し2桁以上の高速評価を可能とし,上流でのI/O性能設計を支援可能な見通しを得た.