抄録
B-036
実行時間に依存したプログラムの暗号化
坂口英司・神崎雄一郎(熊本高専)・門田暁人(奈良先端大)
本研究では,動的解析に対して有効なプログラムの暗号化方法を提案する.提案方法では,プログラムを通常実行した場合と動的解析を行いながら実行した場合の実行時間の違いを用いて,動的解析が行われた場合には保護の対象となるコード(保護対象)が正しく復号されないようにする.保護対象は,あらかじめ対象鍵暗号によって暗号化されており,プログラムの実行時に復号・再暗号化される.暗号鍵は,プログラムの一部のコードの実行時間を基にして生成する.悪意のある人物がデバッガなどを用いて動的解析を行い,実行時間が通常実行時よりも長くまたは短くなった場合は,正しい暗号鍵が生成されず,保護対象は元来のコードに復号されなくなる.