抄録
A-014
可逆回路内の単一縮退故障に対する診断可能性について
尾添研一郎・山田敏規(埼玉大)
可逆回路は殆どエネルギー消費なしで計算を行うことが可能であると期待されているために非常に魅力的である.さらに,可逆回路はナノコンピューティング,デジタル信号処理,量子計算への応用がある.これらの事実が可逆回路の研究への動機付けを与えている.

可逆回路を設計・製造する際に,回路を検査し,回路内の故障を検出・同定することは重要である.しかしながら,可逆回路内の故障を検出する研究はこれまでにたくさんなされている一方,可逆回路内の故障を同定する研究については,著者らの知る限り,これまで行われていない.小文は,与えられた可逆回路が単一縮退故障に対して診断可能であるための必要十分条件を与える.