抄録
A-006
疑似平方数に基づいた素数判定とカーマイケル数との関係
神保秀司(岡山大)
本論文では,Lukes らにより提案された疑似平方数と呼ばれる各素数に対応する正整数に基づいた素数判定条件とカーマイケル数の間の関係について,計算機実験の結果に基づいて考察し予想を提案する.素数 p に対する疑似平方数 Lp は,(1) Lp - 1 が 8 の倍数であり,かつ,(2) p 以下の各奇素数 q について正整数 m が存在して Lp - m2 が q の倍数になる,という2条件を満たす平方数でない最小の正整数であり,正整数 n がカーマイケル数であるとは,0 < a < n かつ a と n の最大公約数が 1 であるようなすべての整数 a について an-1 - 1 が n の倍数であることをいう.